医療業界には、診療放射線技師という仕事があり、縁の下の力持ちと言われています。レントゲン装置やCT装置、MRI装置などを用いて、病気の発見をはじめ、診断に必要な高画質な画像を医師に提供することを主な仕事としています。
診療放射線技師が扱うレントゲン装置は、健康診断や内科での肺や胸部の診断、整形外科での骨領域の確認によく用いられます。また、CT装置は、頭部や胸部、腹部の断層を高速に撮影することができるので、患者の患部の状態をリアルに調べるのに役立ちます。そして、MRI装置は、精密検査によく用いられますが、CTで発見された腫瘤が良性なのか悪性なのかを判断するのに有効で、柔らかい組織の描出がリアルに行なえるのが特徴です。したがって、診療放射線技師は、病気の早期発見や的確な治療には欠かせません。
ちなみに診療放射線技師は、患者の症状に応じて適切な撮影装置の選択をしたり、検査で撮影した画像を処理して、高画質な画像を医師に提供することも担当します。ただし、仕事内容が人目につきにくく、医療職の中でも目立たない地味な存在であり、認知度もそれほど高くありません。とはいえ、高い専門知識と技術が求められる職種であり、医療業界では重宝されているので、看護師や医師意外の医療系の仕事に就きたい場合は、選択肢の一つに加えてみてもいいでしょう。診療放射線技師の道は容易ではありませんが、医療業界で働くプロの一人として活躍することができます。